第1回 『イライラ』
ちょっとしたストレスで、
「なぜだか、わからないけれどイライラする」
「いつもならこんなことでイラつかないのに……」
と思うことがありますよね。
ちょっとしたことで、イライラしたり、不安になったり、うつっぽくなったり、情緒が不安定になります。
ちょうど、PMS(月経前症候群)の時期だったりすると、輪をかけて症状がつらくなることも。
原因としては、女性ホルモンのバランスの乱れや、感情に関係する脳内物質セロトニンの影響などもあります。
女子力をアップするためにも、イライラやメンタルの不安定さは、スッキリ解消しておきたいですね。
ということで、イライラ改善に役立つ漢方薬をいくつかご紹介します。
まず、「加味逍遥散(かみしょうようさん)」。
イライラ、肩こり、不眠、頭痛、疲れ、だるさなどがある人に。
プレ更年期に悩んでいる人にもおすすめです。
加味逍遥散(かみしょうようさん)は、10種類の生薬(すべて植物です!)からできています。
そのうちのいくつかを紹介すると……
「柴胡(さいこ)」は、セリの多年草のこと。
「山梔子(さんしし)」クチナシのことです。
「甘草(かんぞう)」黄色いきれいな花を咲かせます。
「生姜(しょうきょう)」ご存知のショウガです。
「薄荷(はっか)」もちろん、ハッカのこと。
これらが配合されることで薬としての効果を発揮します。
次は、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」。
イライラ、頭重、おなかが張る、便秘、肩こりなどのある人に。
この漢方薬には、「桂枝(けいし)」=シナモンが含まれています。
そして、「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」。
イライラ、のぼせ、便秘、腰痛、肩こりのある人に。
これには、「桃仁(とうにん)」=桃の種が使われているんです。
漢方薬は、植物の力を最大限に利用したお薬だと思います(漢方薬の生薬には、植物のほか動物のゼラチンや鉱物なども使われています)。
漢方の疑問、質問は、「みんなの漢方®」( http://www.mkampo.net/ )にアクセスしてみてください。
イライラは、冷えが根底にある人に多いので、春になっても油断せずにおなかを温めてくださいね。冷たいものより温かいものを飲んで。冷える日は、腹巻きがおすすめです!
増田美加 mika masuda
女性医療ジャーナリスト。
人気女性月刊誌や女性専門サイトで、数々の女性のための医療&健康・美容現場を取材&執筆。約30年にわたって2000名以上の医師と会う。
『婦人画報』『Oggi(オッジ)』での連載のほか、『美的』『日経ヘルス』『anan』『Domani』『Precious』などで執筆活動を行う。
著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)『「太りグセ」が「やせグセ」に変わる! リバウンドゼロダイエット』(高橋書店)など多数。
NPO法人「みんなの漢方」理事長 http://www.mkampo.net/
NPO法人「乳がん画像診断ネットワーク(BCIN)」副理事長 http://bcin.jp/ ほか